源氏25歳
−橘の香を懐かしみ郭公 花散る里を尋ねてぞ訪ふ−(光源氏) −人目なく荒れたる宿は橘の 花こそ軒のつまとなりけれ−(桐壺帝の麗景殿の女御・花散里の姉) 「花散里」の巻
源氏26歳
−月影のやどれる袖はせばくとも とめても見ばやあかぬ光を−(花散里) −行きめぐりつひにすむべき月影の しばし曇らむ空な眺めそ−(光源氏) 「須磨」の巻
−荒れまさる軒のしのぶを眺めつゝ しげくも露のかゝる袖かな−(花散里) 「須磨」の巻